【昔話】仙人のおしえ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、目の見えない母を持つ吾一という孝行息子がいました。
吾一は毎日、母の目が治るように神様にお祈りしていました。
ある晩、吾一の夢枕に神さまが現れ、母の目を治すには山の仙人のところへ行き頼みなさい、と告げました。
翌朝、吾一は山の仙人のもとを目指して歩いていくと、長者と百姓に呼び止められました。
吾一が仙人のところに行くと話すと、長者からは「3年も寝込んでいる娘の病気を治すにはどうしたらいいか仙人に聞いてほしい」と言われ、百姓からは「家の裏にあるみかんの木が実をつけないのでどうしたらいいか仙人に聞いてほしい」と言われました。
吾一はこれを快く引き受けました。
吾一は急な山道を登って行くと、吾一の前に、到底登れそうにない断崖絶壁が現れました。
すると、崖の穴から大蛇が出てきて、どこへ行くのか尋ねてきました。
吾一が震えながらも理由を話すと、大蛇は、「何年も修行したけどいまだに天に昇れのでどうしたらいいのか仙人に聞いてほしい」と言うと、吾一を頭の上に乗せ崖の上に運んでくれました。
こうして吾一は、山のてっぺんの仙人の家に着きました。
吾一は仙人の家に上がると、4つ尋ねたいとがあると伝えると、仙人は3つしか聞くことができないと言いました。
悩んだ吾一は、自分の母のことは今度聞けばよいと思い、他人の願いを優先させることにしました。
吾一は仙人にお礼を言って家を後にしました。
そして崖で待っていた大蛇に、淵の中の金の玉を取れば天に昇れると仙人の言葉を伝えました。
すると、大蛇は口から金の玉を出し、金の玉は黒雲を呼び、大蛇は黒雲に包まれると、龍に姿を変え天に昇っていきました。
そして、金の玉をお礼として吾一に残しました。
百姓まで戻った吾一は、みかんの木に実がならないのは根元に金気の物が埋っているためと伝えました。
根元を掘ってみると、何と小判が入ったつぼが3つ出てきたので百姓は大喜びで、吾一はお礼に小判のつぼを1つもらいました。
長者には、娘の病気は、娘が初めて見た若者を婿にすれば治ると伝えました。
その時ふすまが開き、病に伏せている長者の娘を見た吾一はあまりの美しさに驚いて、飲んでいた茶をこぼしてしまいました。
3年間も寝込んでいた娘がこんなに笑ったことがなかったので、長者は喜び、吾一を娘の婿と決めました。
家に帰った吾一は、一部始終を母に話し、目の見えない母に金の玉を触らせてあげました。
すると、母の目がいつの間にか見えるようになっていました。
それから吾一は長者の娘と夫婦になり、母と3人で幸せに暮らしました。
