あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】さだ六とシロ【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし、秋田県の山奥の鹿角の領に、さだ六という鉄砲打ちの名手がいました。

さだ六は、子牛ほど大きくて真っ白なシロという秋田犬を飼っており、とても優秀な猟犬でした。
さだ六は、猟の名人だったため、他国の領地でも自由に猟をすることを許された将軍さまの証文を持っていました。

ある寒い冬の日、シロと一緒に猟に出かけたさだ六は、珍しい青イノシシを見つけました。
追いかけているうちに、隣の三戸領に入り込んださだ六は、とうとう青イノシシを巣穴まで追い詰めました。
青イノシシの巣穴には、傷ついた母イノシシと小さな子イノシシがいました。
さだ六は、かわいそうに思ったのですが、猟師の定めなので許してほしい…と言って、引き金を引きました。

その晩はものすごい吹雪だったので、山の洞穴で夜を明かすことにしました。
翌日、さだ六は親子の青イノシシをソリに乗せ、自分の領地に向けて歩いていると、三戸領の役人に呼び止められました。

さだ六は、天下御免の証文を見せようとしたのですが、持ち歩くのをすっかり忘れていました。
証文がなければ、明日、さだ六は処刑されてしまいます。
主人の危機を察したシロは、証文を取りに家に帰ったのですが、シロが証文を持って戻った頃には既にさだ六は処刑された後でした。

シロさだ六の死体を引きずり、たくさんの峠を越えて自分の領地へ向かいました。
しかし、力尽きてしまったシロは自分の領地に入ったところで遠吠えを残し、そのまま石になってしまいました。


 - 昔話

  関連記事