【昔話】白いすずめ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、大金持ちの庄屋がいました。
広大な敷地内には酒蔵、米蔵、醤油蔵、味噌蔵などがあり、大勢の使用人とともに暮らしていました。
そんなある日、庄屋が突然で亡くなってしまいました。
残された母(庄屋の妻)と一人息子が商売を引き継ぐことになりましたが、息子は早起きが苦手だったので、みんながとっくに働き始めた頃にようやく起きて仕事場の見回りに行っていました。
ある夜、息子は母が遅くまで帳簿の整理をしていることに気がつきました。
その様子が気になった息子は、お世話になっている和尚に相談しました。
和尚は、「早朝にいる白いすずめを見つけられたら、その心配はなくなりますよ」と教えてくれました。
そこで息子は、白いすずめを見つけるために、夜中から蔵のかげで寝ずにずっと待っていました。
深夜になると、闇に紛れて使用人たちが蔵から何かを手に持って出てきました。
使用人たちは、早起きが苦手な息子にはバレないだろうと蔵にある酒や味噌などを勝手に持ち出していたのでした。
それに気が付いた息子は、誰よりも早起きをして仕事場を見回るようになりました。
おかげで、以前にもまして商売も繁盛しました。
