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【昔話】あとかくしの雪【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、とても貧しい村がありました。
この村近くにある山が3年前に噴火して火山灰が降ってきたことが原因で、作物がとれなくなっていたのです。

ある時、この村に腹を空かした旅人がやってきたのですが、どの家にも食べ物を分けてあげる余裕がありませんでした。
とうとう旅人は、村はずれで倒れてしまいました。
するとそこへ、1人暮らしのおばあさんが通りかかり、倒れた旅人を家に連れて帰り、少しだけ雑炊をごちそうしてあげました。

ほんの少ししかなかったので、とても足りず、もう少しだけ何か食べさせてあげたいとおばあさんは考えました。
そこで、おばあさん庄屋の畑から大根を引き抜いてきて、お味噌汁を作って食べさせてあげました。

翌朝、おばあさんはまだ夜も明けない暗いうちに旅人を起こして、旅立たせました。
その頃、庄屋が荒らされた自分の畑と、そこにはっきりと残っている残っている足跡を見つけました。
足跡は簡単には消えないので、庄屋は一旦家に戻り、夜が明けた頃に代官所へ向かうことにしました。

やがて日が昇り、庄屋が支度をして家を出ると、寒くもないのに雪が降っていました。
雪の季節はまだまだ先なのに、とても不思議なことで、足跡はすっかり見えなくなっていました。


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