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【昔話】くしがき仙人【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかそあるところに、源蔵という男が住んでいました。
源蔵は大工だったのですが、を亡くしてからは落ち込んでしまい、仕事も手につかなくなっていました。

そんな源蔵を見かねた仕事仲間や近所の人たちが、源蔵を励まそうと、飲みに誘いました。
酒の席でも相変わらず気分の晴れない源蔵だったのですが、大工の棟梁が「仙人になれば雲に乗ってどこでも好きなところへ行ける」と言ったのを聞いて、どうすれば仙人になれるのか寺の和尚に聞きに行くことにしました。
仙人になれば、雲に乗って天に上り、死んだのところへ行けると思ったのでした。

和尚が言うには、仙人になるには火を使わないものを食べ、深山幽谷に入り心を清めるということでした。
これを聞いた源蔵は、火を使わないものといえば串柿が良いと思い、翌日たくさんの串柿を背負って山に登りました。

それからというもの、源蔵は来る日も来る日も岩の上に座って心を清めました。
そのうち持ってきた串柿も全てなくなり、源蔵の手足は痩せ細っていきました。
そんな霧の深いある日、眼下の雲を見た源蔵は、とうとう自分は仙人になれたとのだと思い込み、雲の中に飛び込んでしまいました。

しかしもちろん雲になど乗れるはずもなく、源蔵の体は真っ逆さまに麓の村に落ちてしまいました。
空から降って来た源蔵を見て驚いた村人は、まだ息をしている源蔵を寺に担ぎ込んで介抱しました。

仙人になるなど、絶対に無理な話です。そんなことをしても死んだは喜びませんよ」と、和尚は諭し、源蔵村人の介抱ですっかり体も元気になりました。
それから気持ちの整理もついた源蔵は、また以前のように元気に働くようになりました。
こんな源蔵を、人々はくしがき仙人と呼んで励まし続けました。


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