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【昔話】神さまの縁結び【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし陸奥のある村にお花権太という恋仲の男女がいました。
2人は結婚を考えていたのですが、お花は大百姓の大事な一人娘で、権太は村1番の貧乏な小百姓だったのでお花の両親がこの結婚を許すはずがありませんでした。

そんなある日、権太は奮発して赤飯を炊いてお花と2人で村の神様の祠に赤飯をお供えしました。
10月には全国の神様が出雲に集まって縁組を決める月なので、2人は村の神さまに出雲に行って2人の縁組を取り計らってもらうようにお願いしました。

難題を持ちかけられた陸奥の神さまは、実は出雲どころか陸奥から出たことがありませんでした。
しかし、お供えをもらって願いを叶えないでは神さまの名が廃ると考え、重い腰を上げて出雲へと旅立ちました。

途中、たくさんの山や谷を越えて、陸奥の神さまはとうとう出雲にやって来ました。
そこで陸奥の神さまが見たのは、たくさんの米俵などを手土産に持ってきた立派な身なりの神さまたちでした。
どこを見ても自分のようなみすぼらしい格好をした神さまはいませんでした。
陸奥の神さまは、恥ずかしい思いで会場に入り、1番目立たない下座の席につきました。

そこへ出雲の神さまが現れ、いよいよ縁結びの会議が始まりました。
陸奥の神さまは大勢の神さまたちの中で、お花権太の縁組についてなかなか切り出せずにいました。
そうこうしている間にどんどん時間が過ぎ、とうとう会議も最終日になってしまいました。
会議も終わりに近づいた頃に、陸奥の神さまは大きな声で「権太お花を夫婦にして下さい!!」と叫びました。

陸奥の神さまの声の大きさに、会場の神さまたちは驚かされましたが、そこまで言うならきっと大丈夫だろうということで、2人の縁組は了承されました。

なんとか務めを果たした陸奥の神さまは村へ帰り、お花の両親の夢枕に立ち、お花権太を夫婦にするよう告げました。
こうしてお花権太はめでたく夫婦となり、陸奥の神さまに毎日お参りして、いつまでも仲良く暮らしました。


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