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【昔話】どろ仏【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある寺に、梅山和尚という、偉い和尚がいました。

ある年の春、旅をしていた梅山和尚が代田という所にさしかかると、畑の中で子どもたちが土をこねてどろ仏を作っているのを見つけました。
梅山和尚どろ仏を見ていると、なんとどろ仏子どもたちの歌に合わせて動き出しました。
不思議に思った梅山和尚は、子どもたちに小銭を渡してどろ仏を譲ってもらいました。
こうして梅山和尚どろ仏は一緒に旅を続けることになりました。

2,3日が経ち、梅山和尚が歩いていると、山の中で日が暮れてしまったので、山の中の一軒家に宿を借りることにしました。
この家の夫婦は粥を作って梅山和尚をもてなし、温かい布団も用意してくれました。

ところがその夜、梅山和尚が寝ていると、突然どろ仏が袋の中から出てきて梅山和尚を起こしに来ました。
驚いている梅山和尚を無視してどろ仏は、「ここは恐ろしい山賊の住処です。梅山和尚を殺しにくるつもりなので、早く押入れに隠れてください」と言いました。
梅山和尚が慌てて押入れに隠れると、どろ仏梅山和尚の代わりに布団に入りました。

そしてしばらくすると、どろ仏の言うとおり、この家の主人が大鎌を持って寝室に入ってきました。
主人は布団の中に梅山和尚がいると思い、布団の上から大鎌を振り下ろしました。
そして夜が明けたら金品を奪おうと思い、そのまま寝室から出て行きました。
梅山和尚が押入れから出て布団の中を見てみると、自分の身代わりとなったどろ仏の首は落とされていました。

翌朝、何食わぬ顔で起きてきた梅山和尚を見た夫婦は震え上がり、自分たちの犯した罪を懺悔してこれからは真人間になることを誓いました。

その後どろ仏は、梅山和尚が大事に祀ったので、今でも寺にあるそうです。


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