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【昔話】白狐の湯【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、1人で暮らす老僧がいました。
老僧は自然を相手にした生活の中で毎日毎日、木材にのみを打ち弁天像を作っていました。

完成した弁天像を川のほとりの平原に置いたところ、いつの日からか白狐弁天像の傍らに寄り添うようにしてじっと弁天像を見ていました。
1人で暮らす老僧は、だんだん白狐に興味を持つようになり、ついに声をかけました。

白狐は言葉を話すことはありませんでしたが、白狐も老齢で、弁天像をもらい受けたいと思っているのだということは分かりました。
老僧は経を理解できるようになれば白狐弁天像をやろうと言い、経を習いにくるようにも言いました。
その日から、朝の読経を終えるころにはいつも白狐老僧のところへ来るようになりました。
そして老僧白狐の持ってきた木の葉に経文を書いて渡してあげました。

ところがある日、いつもの様に訪れると思っていた白狐が読経を終えてもまだ姿を現わしませんでした。
老僧白狐を探して歩きました。
すると岩穴の中で冷たく横たわる白狐を見つけました。
白狐老僧の書いた木の葉の経文の上に身を横たえて、眠るように死んでいました。

1人で死んで行くのが寂しくて弁天像を欲しがっていたのだということに老僧は気づき、すぐに譲らなかったことを後悔しました。
老僧弁天像白狐の傍らにそっと置き、ていねいに埋葬しました。

その晩、夢の中に白狐が現れました。
礼の後に白狐は、自分を埋めた岩の近くの土を掘るようにと言いました。
翌朝、村人たちと辺りの土を掘ると温泉が沸いてきました。
そしてその温泉を白狐の湯と呼ぶようになりました。


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