【昔話】白ごろもの坊さま【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、きこりの夫婦が住んでいました。
夫婦には12人子どもがいましたが、貧しいながらも仲良く暮らしていました。
ある日、父が切り倒した木の下敷きになってしまい死んでしまいました。
残された母は、何とか子どもたちを養おうと一生懸命働きましたが、少量の芋や団子を手に入れることだけで精一杯でした。
もちろん子どもたちはお腹いっぱいにはなりませんでしたが、子どもたちはそれを分け合って食べました。
そして母に心配をかけないようにと、「これだけ食べれば十分だよ」と言っていました。
冬になり、ますます食べ物が手に入りづらくなり、母は家にあるものを何でも売って毎日なんとか過ごしていました。
ある吹雪の日、夜になっても母が帰ってきませんでした。
母は、家に帰る途中に雪の中で凍えて死んでいました。
そのことを知らないで子どもたちは泣いていましたが、ふと気が付くと家の入り口に白ごろものお坊さんが立っていました。
お坊さんは、泣いている子どもたちをなだめると、どこからか取り出したごはんを長い箸を使って食べさせました。
箸を子どもの口に運ぶたびにお坊さんは「これは父から、これは母から」とやさしく言いました。
その日から、お坊さんが夜になるとごはんを食べさせにきてくれたので、子どもたちは飢え死にしなくてすみました。