あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】一軒屋の婆【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある村に、重兵衛という男が住んでいました。
重兵衛は町へ買い物へ出かけようと、朝早く家を出ました。
山道にさしかかると、茂みの中できつねが熱心に土を掘っていました。

重兵衛は、きつねを驚かしてやろうとそっと近づいて、突然大声を出しました。
するときつねは驚いて、坂道をコロコロと転がって崖下の深い淵へ落ちてしまいました。
それを見た重兵衛は、大喜びしました。

楽しい気分で町へ向かった重兵衛は、寒い時期に備えて必要な買い物をすませ、お昼頃には帰路につきました。
日暮れまでには村に戻れるはずだったのですが、山道にさしかかった頃にはすっかり日が暮れていました。
困った重兵衛が暗やみの中をなんとか歩いていると、目の前に山小屋らしき家があるのを見つけました。

提灯を借りようと立ち寄ると、薄暗い囲炉裏におばあさんが1人で座っていました。
話しかけてもまったくこたえてくれないおばあさんに、重兵衛は今晩だけ泊めてほしいとお願いしました。
1人で勝手にしゃべり続ける重兵衛に全く反応しないおばあさんでしたが、おばあさんは突然大きな包丁を研ぎはじめました。

気味が悪くなってきた重兵衛は、冷や汗を垂らしながら息をひそめて座っていました。
すると、おばあさんは「ベロベロベロ、バァー!」と、突然大声を出しました。
驚いて小屋から飛び出した重兵衛は、坂道を転がり落ちて崖下の深い淵へ落ちていきました。

このぉばあさんは今朝のきつねが化けたもので、仕返しに重兵衛を同じ目に合わせたのでした。
重兵衛はなんとか淵から這い出して村へ戻りましたが、寒い時期に備えた買い物は全て失ってしまいました。


 - 昔話

  関連記事