あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】紙すく里【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし、土佐の山奥の二淀川のほとりに、成山という村があり、そこに養甫尼という尼さんが住んでいました。

養甫尼は、立派な殿さまの奥方だったのですが、戦に敗れて殿さまも死んでしまったため、この世を憂いて尼になりました。
養甫尼は甥の三郎左2人で静かに暮らしていました。

ある日、養甫尼が山で薪を集めていると、傷を負った武士が倒れていました。
養甫尼が介抱すると、武士は次第に元気になりました。
武士は、新之丞という名で、山に生えている楮の木から紙を作る方法を知っていました。
養甫尼三郎左はそれ専用の小屋を作って、毎日夢中になって紙を作りました。

春になり、養甫尼は桜の花を入れた紙を作ってみました。
それは見事な仕上がりだったので、養甫尼は季節の草花を染めあげるようになり、いつしか「七色紙」といわれるようになりました。
幕府に献上する土佐の特産物として貴重な物となりました。
殿さまから紙の役人として任命された三郎左は大喜びしました。

ところが、突然、新之丞が自分の国へ帰りたいと言い出しました。
新之丞がここを出て行ってしまったら七色紙の作り方が他へ漏れてしまうことを心配した三郎左は、見送りの途中で新之丞を切り殺してしまいました。

その後、養甫尼三郎左がどうなったかわかりませんが、土佐の成山は今も紙すきの里と呼ばれています。


 - 昔話

  関連記事