【昔話】河童のかめ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、いたずら好きの年老いたカッパが住んでいました。
ある年のお寺の田植えの日に、村人たちが集まって、朝から夕方までに田植えを済ませ、川で馬を洗っていました。
すると、突然馬が暴れ出しました。
驚いた村人たちが馬のしっぽを見ると、なんとカッパがぶら下がっていました。
村人たちはカッパを捕まえ、こんないたずらをするカッパは殺してしまおう、と相談しているところに、寺の和尚さんがやってきました。
和尚さんは、村人たちをなだめ、カッパを川に逃がしてやりました。
その夜、寝ている和尚さんのところに、あの時のカッパがやってきました。
助けてくれたお礼にと、一尺ほどの高さの小さな瓶を置いて、去っていきました。
不思議なことにカッパのくれた瓶の中から、水の音が聞こえてきました。
水の音は、美しく優しく柔らかで、まるで川のせせらぎを聞いているようでした。
この水音を聞くと、1日中ニコニコした顔になり心が和らぎました。
この不思議な瓶は、寺の宝として長い間大切に保管されました。