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【昔話】峠の山犬【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、五兵衛という大工が住んでいました。
ある日仕事で帰りが遅くなった五兵衛は、途中で友人の家を訪ね、偶然の友人の嫁の出産に立ち会うことになりました。
峠を越えるために提灯を借りた五兵衛は、産婆に「夜道を歩くとお産の血のにおいを嗅ぎつけて山犬が出ますよ」と言われたのですが、これを無視して暗い峠道を上りました。

ところが峠の中ほどまで来たとき、何かを感じた五兵衛が提灯を近づけると、恐ろしい顔をした山犬が道の前後をはさみこみ、五兵衛を睨みつけていました。
危険を感じた五兵衛は、昔死んだおじいさんに「山犬と遭遇したら友だちのように振る舞ってみなさい」と教えられたことを思い出し、山犬たちに自分の帰りを待っていてくれたのかと、気さくに話しかけてみました。
そして、見送りをしてくれたら後でおいしいものをご馳走すると約束した五兵衛が歩き出すと、なんと山犬たちも五兵衛の後をついていきました。

山犬たちはどこまでも五兵衛の後をついてくるので、隙を見せず怯えながら峠を下りるうちに、五兵衛はいつの間にか自宅の近くまできていました。
五兵衛山犬たちにお礼を言い、今夜、赤飯を炊いて家の外に出しておくから後で食べにくるように伝えると、無事自宅にたどり着くことが出来ました。

翌朝外を見てみると、山犬たちが食べていったらしく赤飯はきれいに無くなっていました。
恐ろしい山犬にも人間の言葉や気持ちが伝わったというお話です。


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