あらすじ君

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【昔話】穀の精【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、とても小さな村がありました。
この村は穀物が豊富に取れたため、村人たちは、穀物を粗末に扱っていました。

ある時、1人のお坊さんが村を通りかかりました。
峠を超える途中で日が暮れたので、通りにあった立派な屋敷に立ち寄りました。
扉の前で声をかけましたが、誰も出てきませんでした。
家主を探してるうちに、奥の部屋で蚊帳の中に羽二重の布団が敷かれているのを見つけたお坊さんは、少し休ませてもらうことにしました。

その夜、車を引くような音が聞こえたと思ったら、お坊さんの寝ている部屋の前で止まりました。
「おかか、おるか?」と声がして、白くて目も鼻も口もない化け物が部屋に入ってきました。
続けて、真っ黒な化け物、真っ黄色な化物と様々な化け物が現れ、蚊帳のまわりを取り囲みました。

化物たちは「おかか、おるか?」と大声で叫び、お坊さんの蚊帳を揺すり始めました。
お坊さんは、すっかり恐ろしくなって、「わたしはおかかじゃない!」と叫ぶと、懐から数珠がこぼれ落ち、数珠に彫ってあった鶏が鳴きました。
朝が来たと思った化物たちは部屋を出ていきました。

翌朝、屋敷は跡形もなく消え去り、お坊さんはただの原っぱで寝ていました。
辺りには荷車の轍たくさん残っており、その先の林の中にはたくさんの穀物が捨てられ、腐っていました。

お坊さんは村に戻り、村人たちに化物のことを話し、穀物が大切だと諭しました。
村人たちは反省して捨てた穀物を弔いました。


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