あらすじ君

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【民話】姫と松の木【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、あこや姫という名の美しい姫がいました。

ある夜のこと、あこや姫が琴を弾いているとどこからか、琴の音に合わせて笛の音が聞こえてきました。
あこや姫が庭を見ると、月の光に照らされた一人の若者が立っていました。
若者あこや姫を見て微笑むと、そのまま姿を消しました。

あこや姫若者に会いたくて、次の晩も琴を弾きました。
すると、笛の音とともにまた若者が現れ、お互いに琴と笛の音色を誉め合うようになりました。
こうして毎晩の会っているうちに、二人はすっかり仲良くなりました。

ところがある晩、突然若者から今日で会うのが最後になってしまうと告げられたあこや姫は、わたしも一緒に連れていってほしいと言いました。
しかし、若者の姿は消え、そこには松の木が残されていました。
もしかしたら若者は松の木の精だったのかもしれないと思い、あこや姫は深いため息をつきました。

ちょうどその頃、この山に生えている大きな松の木を切って橋を作ることが計画されていました。
ところが大人たちが松の木を切り倒そうとしても、松の木はびくともしませんでした。

橋の計画を聞いたあこや姫は、もしかして切り倒そうとしている松の木があの若者ではないかと思い、松の木のそばへ行きました。
そして松の木にそっと手をそえ、「たとえあなたが橋になっても、わたしはあなたのことを一生忘れません」と言いました。

すると、今までびくともしなかった松の木が自ら倒れ、橋になったのです。
あこや姫は、松の木の切り株のそばに家を建て、亡くなるまでそこで幸せに暮らしたのでした。


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