【昔話】田植地蔵【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、働き者の青年がいました。
青年は母を早くに亡くし、その後一緒に農業に励んでいた父も病気で亡くしました。
残された青年は自分ひとりでどのように田植えをすればいいのか悩み、地蔵に手を合わせに行きました。
翌朝、青年が田植えをしようと田へ向かうと、すでに田植えが終わっていました。
あたりを見渡しても誰もいなかったのですが、ふと足もとを見ると青草が泥で汚れていることに気がつきました。
田植えをしてくれた人に違いないと思い、その足跡をたどっていくと地蔵の前に着きました。
青年は不思議に思いましたが、いつものように拝むと、地蔵の足元が泥で汚れていました。
青年は、地蔵が田植えをしてくださったことに気づき、今まで以上に地蔵を参るようになりました。
この話を聞いた村の人たちも、地蔵を大事にし感謝するようになりました。