【昔話】河童のくれた妙薬【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、秋祭りの相撲大会の練習をしている子どもたちがいました。
すると、この村では見覚えのない体の小さな子どもがその様子を遠くから眺めていました。
それに気づいた村の子どもでこやまが相撲をしてみると、いとも簡単に投げ飛ばされてしまいました。
でこやまが投げ飛ばされたことに驚いた村の子どもたちは、村で一番相撲の強い五作を呼んできて相撲をさせました。
五作はその子どもに勝ちましたが、五作が家に帰ろうとすると後ろから追いかけてきて、「明日は仏さんのご飯を食べずに来い。そしたら今度はおれが勝つから!」と言いました。
五作は不思議に思い、そのことをおじいさんに相談すると、おじいさんは笑いながら「明日、仏さんのご飯を食べずに行きなさい」と言いました。
翌日、五作がその子どもと相撲をとると、今度は負けてしまいました。
勝った子どもが「おれとの約束通り、仏さんのご飯を食べずに来たんだな!」と嬉しそうに言うので、五作も嬉しくなりました。
ところが、あっさりと負けてしまったでこやまの兄は、「わざわざ仏さんのご飯なんて言うのはおかしい。おまえ、もしかしてカッパじゃないのか」とその子どもを責め、木の棒で殴ろうとしました。
しかし、五作のおじいさんが止めに入り、カッパを助けてあげました。
実はおじいさんも子どもがカッパであることに気づいていたのです。
そして五作とおじいさんは、よも川の上流にある沼までカッパを送ってやることにしました。
カッパが沼に入ると、カッパのおじいさんが現れて、助けてくれたお礼として誰も知らない薬の作り方を教えてくれました。
カッパのおじいさんが教えてくれた妙薬は、打ち身などによく効いたので、村の子どもたちは五作に妙薬を塗ってもらい相撲の練習に励みました。