【昔話】屁ひり女房【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、母親と息子が住んでいました。
ある日、隣村から働き者で優しい嫁を迎えました。
やがて10日ほど経ったある日、嫁の様子がおかしくなりました。
心配した母親が嫁に理由をたずねると、嫁は「屁がしたいが我慢している」と言いました。
母親が「屁ぐらい遠慮なくすればいい」と言うと、嫁は着物の裾をまくって驚くほど大きな屁をしました。
母親は嫁の屁に吹き飛ばされて、向かいの大根畑へ飛ばされてしまいました。
この様子を見ていた旦那(息子)は怒り、こんな嫁は実家に返す、と言い出しました。
嫁は泣きながら、実家までの道のりを旦那(息子)後ろをついて歩いていきました。
しばらく進むと、港から出航できずに困っていた貨物船がありました。
そこで、嫁は屁をふり貨物船を沖まで吹き飛ばしてあげました。
そのお礼に米俵を三俵もらい、さらに道を歩いて行くと、峠の柿の木から柿を取ろうとしている男がいました。
ここでも嫁はすごい屁をふり、柿の木から全部の柿の実を落としてあげると、お礼として男が持っていた反物と馬をもらいました。
旦那(息子)は、こんな宝嫁を実家に返すなんてもったいない…と、嫁と一緒に家に帰る事にしました。
嫁はとても喜び、大きな屁で旦那(息子)を自宅まで吹き飛ばし、後から馬や米俵を持って歩いて自宅へ戻ってきました。
その後、旦那(息子)は嫁のために部屋を作ってあげ、いつでも屁ができるようにしてあげました。