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【昔話】天狗杉【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、とても古い寺がありました。
寺の周りにある杉の木には、いたずら好きな天狗たちが住んでいて、夜な夜な回廊の燈篭を壊したり、回廊を油まみれにしていました。

そんなある日、芙岳という小僧が「寺の杉を全部伐り倒せば、天狗たちの住む場所はなくなるだけでなく、寺の修理の木材も手に入りますよ」と和尚に提案しました。
しかし和尚からは「勉強もせずに、なんてことを言うんのだ」と怒られてしまいました。

もともと勉強嫌いの芙岳は、天狗たちの冷やかしや仲間たちの誘いも聞かず、寝る間も惜しんで毎日勉強しました。
何年も勉強し続け、66歳になった芙岳は大僧正になりました。

芙岳は、木こりたちを集めて、寺の増築するために杉の伐採を命じました。
杉の伐採を聞きつけた天狗たちは、芙岳にいたずらのことを謝り、伐採をやめてほしいと頼み込みましたが、芙岳は聞き入れませんでした。

杉の木は次々と伐られていき、たくさんあった杉の木は残すところ1本となりました。
逃げ場を失った天狗たちは泣くばかりでした。
木こりが最後の杉の木を伐ろうとした時、芙岳が止めました。
芙岳は、天狗たちのおかげで勉強が好きになったのだと言い、1本だけ残してあげることにしました。

この時の杉の木は、天狗杉と呼ばれるようになりました。


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