【昔話】かみつき岩【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、兄弟がいました。
兄弟は父親の遺言で、財産は2人で半分に分けることになっていました。
やがて、兄が嫁をもらい、弟に財産を分けることになりました。
ちょうど半分にするのは損だと考えた兄は、弟には崖の岩場の荒れ地をやることにしました。
弟は、毎日毎日荒れ地を耕しましたが、石や岩が多くてなかなか畑になりませんでした。
そんなある日、どことなく父親に似た大きな岩が、「身幅三尺の袋を持ってきなさい」と弟に話しかけました。
弟は驚きましたが、言われるがまま袋を持ってくると、岩の口から金塊がゴロゴロと出てきました。
この話を聞いた欲張りな兄は、弟が持っていた袋よりももっと大きな袋を手に岩のところへやってきました。
しかし岩からは何も出てきませんでした。
我慢ができなくなった兄が口に手を突っ込むと、岩は手首に噛みつきました。
兄の手首には歯型が残り、岩はそのまま粉々に砕けてしまいました。
それからというもの、兄もまじめに働くようになりました。