【昔話】狐べら【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に長者がいました。
ある暑い夏の夜に、長者が庭で涼んでいると庭の岩陰で、持つと空を浮遊できるという不思議なヘラを拾いました。
その夜、長者のところへ美しい芸者に化けたキツネが訪れ、あのヘラを返してほしいと言いました。
キツネはヘラの代わりに、かぶると自分の姿を消すことができるという「錦の風呂敷」を置いて行きました。
長者は錦の風呂敷をとても気に入り、ふんどし一丁で風呂敷をかぶって姿を消しました。
そして女たちが囲炉裏で茄子田楽を焼いているところに潜り込み、目の前で串から茄子を引っこ抜いて見せました。
しかし錦の風呂敷とは、実はただの腰巻で、ふんどし姿の長者は最初から丸見えだったのでした。
女たちに大笑いされた長者は、結局キツネにだまされていたのでした。