【昔話】座敷童子【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村で、宿を求めて六部が長者屋敷を訪ねていました。
何代も続いている長者屋敷はとても立派で、ここに暮らしている長者の孫左衛門もとてもやさしい老人で六部を手厚くもてなしてくれました。
その夜、眠っていた六部が物音で目を覚ますと、布団の周りで3人の娘たちが唄を歌いながらまりで遊んでいました。
すっかり心癒された六部は、走り回っている娘たちに「走り回ると危ないですよ」と声をかけてしまいました。
するとその瞬間、娘たちの動きが止まり、そのままどこかへ逃げていってしまいました。
翌朝、朝食を食べた六部は、昨夜の出来事は夢だろうと思い、孫左衛門にお礼を言って屋敷を出ました。
それから、何年か経ったある日、六部がひさしぶりに長者屋敷の近くを通りかかりました。
すると屋敷から3人の娘たちが出てきました。
六部が「あなたたちは、長者屋敷の者ですか?」とたずねると、娘たちは「これから出て行くところです。今度は隣村の長左衛門の屋敷に行きます」と言って、その場を去っていきました。
長者屋敷の孫左衛門はすでに亡くなっていて、現在は欲深そうな若い当主に代替わりしていました。
それを見た六部は、さっきの娘たちは座敷童子だったのだと気が付きました。
座敷童子に出ていかれた長者屋敷は、その後すぐに不幸な出来事が続き、次第に没落していく一方で、隣村の長左衛門の屋敷は、とんとん拍子で栄えていきました。
