【昔話】ツバメのお礼【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、和尚と小僧がいました。
この寺には春になると毎年ツバメが巣を作りヒナを育てていましたので、和尚がツバメに「たまには宿代を持ってこい」と冗談まじりに言いました。
するとツバメはかぼちゃの種を一粒持ってきたので、和尚はそれをお礼の品として大切に寺の庭にまきました。
秋になると巨大なかぼちゃがひとつだけ実をつけたので、和尚はツバメのお礼だからと言い、大切にしすぎてなかなかかぼちゃを食べようとしませんでした。
小僧は巨大かぼちゃが食べたくて仕方なかったので、和尚が留守の間に包丁でかぼちゃを切ろうとしました。
すると、かぼちゃは自らパカっと割れて中からたくさんのヘビが出てきました。
慌てた小僧はヘビとかぼちゃを裏の池へ投げ捨てると、空が曇りだし急に嵐がやってきました。
夜になっても嵐はおさまらず、かぼちゃを投げ捨てた池からは大蛇がウネウネと泳ぎまわっていました。
和尚と小僧は夜明けまでお経をよんで過ごし、裏の池を見に行くと小さな池が大きな沼に変わっていました。
この沼は周囲の田んぼを潤す用水沼になり、村人たちはツバメのお礼に大喜びしました。