【昔話】宝の下駄【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、貧乏な男の子と病気の母親がいました。
親思いの男の子は逆立ちが得意で、逆立ちして歩いては、母親を楽しませていました。
間もなく正月を迎えようとしていましたが、男の子家には米の一粒すらなかったので、親戚のおじさんにお金を借りることにしました。
しかし、ケチなおじさんはお金を貸してくれませんでした。
男の子しょんぼりしながら逆立ちで帰っていると、空から仙人が降りてきました。
仙人は「履いて転べば背が縮むかわりに小判が一枚出る」という不思議な一本下駄を男の子に差し出すと、男の子はさっそく三回転んで小判を三枚出しました。
小判で母親の薬と正月の餅を買い、この下駄を宝物として神棚にまつりました。
噂を聞きつけたおじさんがやってきて下駄を無理やり持っていってしまいました。
欲張りなおじさんは大きな風呂敷の上で何度も転び、そのたびにたくさんの小判を出しましたが、自分の背が縮んでいることに気づいておらず、いつの間にか小さな虫になってしまいました。