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【昔話】兄弟とぼたもち【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、兄弟の漁師が年老いたと3人で暮らしていました。

ある朝、兄弟は漁に出かけて魚を捕っていたのですが、急に海が荒れ、2人の舟は沖へと流されてしまいました。
2人は小さな島に流れ着き、舟から降りて誰かいないかと島を歩きました。
しばらく歩くと、丘の上に灯が見えたのでその家を訪ね、一晩泊めてくれるように頼みました。

その頃、帰らぬ息子たちを心配したは、月に向かって2人の無事をお願いしていました。
すると突然月が強く光り始め、が気がつくと月にお供えした2つのぼたもちが消えていました。

2人は家の中へ上がり座っていると、家にいた女性が「お腹が空いたことでしょう」と言ってぼたもちを2つ差し出してくれました。
食べてみると、これが驚くほどおいしくて、これしか食べていないのにすっかり満腹になりました。

そして女性は、包み紙を差し出し「これは魔よけの品です。もし困ったことがあればこれを開いてお使いください」と言いました。
翌朝2人が目を覚ますと、そこは何もない野原で、家も女性の姿もありませんでした。

2人は不思議に思いましたが、舟を置いた浜まで行ってみることにしました。
ところが舟に着いてみると、舟は何か白い糸でぐるぐる巻きにされており、どんなにしても外すことができませんでした。

その白い糸は蜘蛛の糸のようで、昨日の女性がくれた包み紙のことを思い出し、開いてみることにしました。
するとそれは硫黄のかたまりで、みるみる燃え上がり、舟をくるんだ白い糸を焼き尽くしてしまいました。
こうして2人は島から出ることができ、無事に家に帰り着くことができました。

息子の無事を喜んだは、夕べぼたもちが消えたことを話すと、2人も女性がくれたぼたもちの話をしました。
あの女性は月の神さまの化身で、大蜘蛛から兄弟を守ってくれたのだと気づきました。


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