【昔話】椎の木のうろ【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし石川県の高座のお宮に、大きなうろ(穴)のある椎の木がありました。
ある日、この村に住む地主の喜平の屋敷に、小石が飛んでくるようになりました。
投石は毎晩続き、そのうち屋敷のあちこちで昼夜問わず、謎の超常現象が起こるようになりました。
この現象にすっかり恐ろしくなった喜平は、村の世話役の半助に相談してみることにしました。
半助が「この村で、小石で誰かを困らせるようなことはしていませんか?」とたずねると、子守をしている女がハッとしました。
女は、泣いてぐずる子どもをあやすために、椎の木のうろの中に小石を投げ込んで遊んでいました。
小石をたくさん詰められて困った椎の木が、地主の喜平に悪さをしていたのです。
女は、椎の木にたくさん詰まった小石をきれいに取り除き、深く謝りると、喜平の家に石が投げ込まれるということはなくなりました。