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【昔話】海に沈んだ鬼【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある山奥に、鬼の親子が住んでいました。

ある日、親鬼子鬼が山のふもとまで散歩していると小さな女の子を連れたおじいさんと出会いました。
おじいさんが悲しそうな顔をして空に手を合わせて拝んでいたので、気になった親鬼は声をかけました。
おじいさんは浜に住んでおり、海が荒れて家族がみな波にさらわれてしまったので海が静まるように祈っている、と言いました。

それからしばらく経ったある日、嵐がやってきました。
親鬼おじいさん女の子のことを思い出すと、巨大な金棒を持ち上げました。
そしてその金棒の両端に大岩を突き刺し、おじいさんが住む浜へ降りていきました。
子鬼には浜へ行くからここで待つようにと告げましたが、どうしてもついていくと言うので金棒の上に子鬼を乗せました。

浜に着くと、波にさらわれないように村人たちが家や岩に必死でしがみついていました。
親鬼子鬼に、浜で待つようにと言いましたが、子鬼は離れようとはしませんでした。
親鬼は、「それならば泣くな!!」と言い聞かせ、金棒を突き刺した大岩を担いだまま、荒れる海の中へ入っていきました。

湾の入口付近に着くと、親鬼は金棒を突き刺した大岩を高く持ち上げ、全身を海の中へ沈めました。
金棒の上に残された子鬼は泣き叫びましたが、金棒の先の大岩と子鬼を残し、親鬼の姿は海の中に消えてしまいました。

嵐で荒れ狂う波は、親鬼の体と大岩にさえぎられ浜まで届かなくなりました。
子鬼は泣いて泣いて親鬼を呼び続けましたが、とうとう小さな岩になってしまいました。

こうしてこの浜には大きな岩と、その上に小さな岩が残り、今でも嵐から浜を守り続けているそうです。


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