【昔話】嘘にのる欲【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、とても欲張りでケチな長者と、嘘をつくのが上手な男が住んでいました。
ある日、男は馬を連れてケチな長者の家に行きました。
そこで男は、財布から金を取り出すと、連れていた馬の糞の中に入れて、「金の糞をする馬」と嘘をついて長者をだまして売りつけました。
その半年後、「薪なしでご飯が炊ける釜」をだまして売りつけました。
だまされたことに気づいて怒った長者は、男を捕まえて海に投げてやろうとしました。
しかし、いざ殺すとなると哀れに思い、念仏をもらっとてやろうと思い、長者は近くの寺に寄りました。
男はその隙に、通りかかった鰯売りをだましてすり替わりました。
そんなこととは知らない長者は、すり替わった鰯売りを海に投げ入れ、屋敷に戻ってきました。
しかし、門の前には海に投げ入れたはずの男が座っていました。
驚く長者をよそに、男は鰯売りが持っていた鰯を見せながら、「あんな浅いとこに投げられたら鰯しか取れません。もっと深ければ鯛やヒラメが取れたんですけど…」と言いました。
それを聞いた長者は、鯛やヒラメ欲しさに自ら俵の中に入り、使用人に海の深いところに投げ込ませました。