【昔話】養老の滝【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山奥に、寝たきりの父親と幼い息子が住んでいました。
息子は毎日、山で薪を拾い町へ売りに行ったり、川で魚を獲って暮らしていました。
ある日、息子は薪拾いに夢中になってしまい、山の中で野宿することにしました。
夜が明けると、どこからか甘い良い香りがしてきたので匂いの元を探して歩いていくと、深い谷底に落ちてしまいました。
そこには大きな滝つぼがあり、甘い香りはその滝の香りでした。
息子は水を手ですくって飲んでみると、体中が熱くなって元気が出てきました。
これは寝たきりの父親も元気になるかもしれないと思い、滝の水を持っていたひょうたんに入れて持ち帰り、父親にも飲ませました。
すると、父親は「これは酒だ!」と言いましたが、次の日から父親の病気が良くなり、しばらくするとすっかり元気になっていました。
この噂は広まり、息子が病気の父親を養ったことから「養老の滝」と言われ、長く語り継がれました。