【昔話】山犬物語【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山奥の水車小屋に、与作と母と生まれたばかりの女の子が住んでいました。
女の子は小雪と名づけられ、おっぱいをたくさんの飲んで元気いっぱいだったのですが、母のおっぱいの出が良過ぎていつも乳をあまらせていました。
ある夜、与作の家の前に子犬がおとなしく座っていました。
きっと母犬が、乳をあまらせている与作のところへ子どもを預けに来たのだろうと思い、母は子犬にも同じようにおっぱいを飲ませてあげました。
次郎と名づけられた子犬と小雪は、本当の姉弟のように仲良く元気に育っていきました。
何年か経ったある日、村のニワトリ小屋が何者かに襲われ、その犯人として次郎が疑われました。
小雪は必死で次郎をかばいましたが、村人たちは「次郎を山に帰さないと水車小屋へ仕事を頼まない」と責めました。
次郎は何かを悟ったのか、その日の夜に姿を消してしまいました。
やがて、ニワトリ小屋を襲った犯人がイタチだと判明しましたが、次郎が戻ってくることはありませんでした。
それから数年が経ったある夜、与作の家に泥棒が入り、3人は縛り上げられてしまいました。
思わず小雪が「次郎、助けて!!」と叫ぶと、立派な山犬となった次郎が飛び込んできました。
次郎が泥棒たちに体当たりすると、恐れをなした泥棒たちは逃げていきました。
その後、次郎はその場で倒れ死んでしまいました。
村人たちは次郎のことを忘れることはありませんでした。