【昔話】寿命のロウソク【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、仲良しの双子がいました。
ある時、兄が病気になってしまったので弟は必死に神さまにお祈りしました。
すると神さまが現れて、「お前に覚悟があるのなら兄の命を助けてあげよう」と言いました。
弟が神さまに言われた通り家の外に出て三回手を叩くと、天からはしごが降りてきました。
恐怖を抑えて弟がはしごを登ると、はしごは雲を突き抜けて広い部屋に続いていました。
部屋のすみに扉が見え、その前には鬼がいびきをかいて寝ていました。
弟は恐る恐る扉に近づき、鬼に気づかれないようにそっと扉を開けました。
次の扉の前にもまた鬼がいましたが、さきほどと同じようにそっと扉を開けました。
扉の向こうには真っ暗な部屋があり、数え切れないほどのロウソクが赤々と灯っていました。
よく見るとロウソクには人の名前が書かれており、これが寿命のロウソクであることに気がつきました。
ロウソクが消えるときが死ぬ時だと分かった弟はうろたえましたが、無数のロウソクの中から兄のロウソクを何とか探し当てました。
兄のロウソクは倒れており、今にも消えてしまいそうでした。
弟は焦る気持ちを抑え、そっと兄のロウソクを立て直しました。
消えるな!生きろ!と弟が呼びかけると、兄のロウソクは赤く大きく燃え始めました。
家に戻ると、兄が布団から起き上がり元気になっていました。