あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】ほそごし【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、大勢の小僧が修業している寺がありました。
この中にいたずら好きの小僧がいて、ある時困り果てた和尚が、懲らしめるためにその小僧を寺から追い出すことにしました。
和尚は「大木の陰より竹藪の陰こそ良けれ」「座敷の中より縁こそ良けれ」と、小僧に2つの言葉を与えました。

その日のうちに寺を追い出された小僧が歩いていると、突然雨が降ってきました。
大急ぎで大木の下へ避難しましたが、和尚の言葉を思い出して竹藪の方へ移動しました。
その直後に、大きな音とともに雷が大木に落ちてきました。

命拾いした小僧が、また先へと歩くと山の中の村にたどり着きました。
日も暮れていたので、化け物が出るという噂の空き寺に泊まることにしました。
小僧はまた和尚の言葉を思い出し、空き寺の縁側で寝ることにしました。

夜も更けた頃、気配を感じて目を覚ました小僧が寺の中を覗いてみると、腰の細い四角い顔の化けものがいました。
やがて、四角い顔の化けものがいなくなり、今度は別の丸い顔の化けものが現れました。

丸い顔の化けものがどこかへ行ってしまうと、寺の中には細腰のが1人で見張りをしていました。
そこで小僧は、寺の中へ飛び込んで「お前は何者だ!!」と問い詰めました。
は「私は手杵の精、四角い顔の化けものは一分銀の精、丸い顔の化けものは一文銭の精」と答えました。
やがて夜が明けると、細腰のは消え、そこには使い古しの手杵が転がっていました。

小僧は、村人たちを集めて、寺の蔵に残っていた一分銀と床下の一文銭を掘り出し、手杵と一緒に焼いて供養しました。
それからの小僧は、和尚のような偉い坊さんになりたいと思い、この寺の住職となりました。


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