【昔話】亀の恩返し【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村に、坊さんがいました。
村には大きな寺がなかったので、寺を建てるために村人たちがお金を集めました。
出来上がった寺のお堂や仏像には黄金を塗って立派なものになるはずでしたが、村では黄金が手に入りません。
そこで坊さんは、村人たちが集めたお金を黄金に換えてもらうために京へ旅立ちました。
京で黄金を手に入れた坊さんは、途中の浜辺から船に乗ろうとしていると、漁師が大きな海亀を捕まえて殺そうとしていました。
坊さんは海亀を殺さないように説得し、持っていた黄金の一部を漁師に渡しました。
坊さんは助けた海亀を海へ逃がし、再び船に乗り込みました。
すると、今度は坊さんが乗った船が海賊に襲われてしまいました。海賊は坊さんの持っている黄金を奪い、坊さんに海へ飛び込むように言いました。
海賊に脅された坊さんは仕方なく海へ飛び込みました。
海へ飛び込んだ坊さんは、すぐそばに岩のようなものがあったのでそれに掴まると、それは岩ではなく先ほど助けた海亀の甲羅だったのです。
海亀は坊さんを甲羅の上に乗せて村の浜辺まで連れて行ってくれました。
坊さんは無事村に帰ることができ、村人たちに全ての出来事を話しました。
それからしばらっく経ったある日、寺がほぼ完成し残すは黄金塗りだけという頃に、寺に黄金を売りにきた男がいました。
黄金売りの男は、坊さんから黄金を奪った海賊でした。
坊さんは、自分を海へ飛び込ませた海賊だということを見抜いていながらも何も言わず、男を捕まえることもせず、お金を払い黄金を買い取ったのでした。