【昔話】七つ石【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、岩手県と宮城県を流れる北上川には橋が1本もなかったので、向こう側へ渡るには船に乗るしかありませんでした。
しかし、船で渡ろうとすると、川は穏やかに流れているのに急に沈んでしまうということが続き、村人たちは困っていました。
特に、川の向こうのお寺は参拝者が減ってしまい、全くお布施が集まらなくなってしまったためにひどくさびれてしまいました。
仁王像の足も腐り、足で押さえつけていたあまのじゃくが勝手に出歩くようになっていました。
見かねたお寺のご本尊は、弁天さまを呼び出し北上川に橋をかけてもらうことにしました。
光とともに現れた弁天さまは、さっそく山から大きな石を運んできて、北上川に並べ始めました。
それを見ていたあまのじゃくは、橋を架けさせないようにするために石を7つ並べ「コケコッコー」と鶏の鳴きまねをしました。
弁天さまは誰かに姿を見られると困るので、完成させることなく帰って行きました。
大喜びで帰ったあまのじゃくでしたが、仁王像が倒れてきて下敷きになって死んでしまいました。
弁天さまの橋はこういった理由で完成しませんでしたが、村人たちは力を合わせてお寺を立て直し仁王像も修理しました。