【昔話】わらびの恩【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山に1匹のマムシが住んでいました。
マムシは「このあたりで俺より強いやつはいない」と威張っていました。
ある日、獲物にしようとネズミやカエルを追いかけまわしたのですが、ネズミにもカエルにも逃げられてしまい、疲れてしまったマムシは原っぱで昼寝を始めました。
すると、マムシの寝ている場所からツバナが伸び、マムシの体を貫いてどんどん伸びていきました。
目が覚めると、ツバナの先に突き刺さったまま宙ぶらりんになっており、動くことができなくなっていました。
マムシはどうしようもなくぐったりしていると、ツバナの傍から先端が3つ又に分かれているわらびが伸びてきて、マムシの胴体をぐいぐいと持ちあげました。
さっきまで追いかけられていたネズミやカエルも「わらび、ぐんぐん伸びろ、どんどん伸びろ」と声をかけてくれました。
そうして、わらびはマムシの身体をツバナの先から押し上げ、マムシは助かることが出来ました。
それ以来、マムシはわらびの恩を決して忘れないので、みちのくの各地では山に入る時にわらびのことを唱えると、マムシに噛まれずに済むと言われているそうです。