【昔話】小僧に負けた和尚さん【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山寺に、素直で正直な小僧と和尚さんがいました。
お坊さんは、殺生をしてはいけないということになっていましたが、この和尚は鮎が大好物でした。
いつも小僧に見つからないようにこっそり鮎を食べていたのですが、ついに見つかってしまった和尚は思わず「これは剃刀だ」と嘘をつきました。
翌日、小僧と一緒に出かけた和尚は、「何があっても黙って後ろからついてきなさい」と命じました。
小僧は言われた通り、川を渡るときに馬から煙草入れが落ちても何も言わずについていきました。
煙草入れがないことに気づいた和尚は、「これからは馬から落ちた物は何でも拾いなさい」と命じました。
やがて、前を歩いていた馬の尻から、糞が落ちました。
これを見た小僧は、和尚の大切な傘で糞を受け止め、必死に後をついて歩きました。
振り向いた和尚は驚いて「今すぐに川に捨ててきないさい」と怒りました。
小僧は、和尚の言う通りにしているのになぜ怒られるのかわからず、川に行って傘を洗いました。
すると、傘の中にたくさんの鮎が入ったの見た和尚は喜びましたが、捨てろと言われた小僧は傘ごと川に捨ててしまいました。