【昔話】飯降山【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山で、3人の尼さんが修行をしていました。
山には家もなく、殺生も禁じられているので、3人は草や木の実などを食べて過ごしていました。
中でも1番年上の尼さんは、笑顔が素敵な人でした。
ある時、不思議なことに空からおにぎりが3つ降ってきました。
きっと、自分たちの日頃のご褒美として、神さまがお恵みくださったのだろうと考えて、感謝してありがたくいただきました。
それからも毎日毎日、空からおにぎりが降ってきました。
しかし、1人1個のおにぎりでは物足りなくなり、もっともっとおにぎりを食べたいと思うようになりました。
ある時、年上の尼さんがもう1人の尼さんと結託し、2人で年下の尼さんを殺しました。
これでおにぎりの分け前が増えると喜んでいると、その日からおにぎりは2個しか降ってこなくなりました。
やがて、もう1人の尼さんが仲間の尼さんを殺したことを後悔するようになりました。
すると1番年上の尼さんは、その尼さんを殺すことにしました。
「これでおにぎりを独り占めできる」と、おにぎりの降る場所へ行ってみると、それ以来おにぎりが降ってくることはありませんでした。
年上の尼さんは、飢えてよろよろになって山を下りました。
やがて人々はこの山「飯降山」というようになりました。
