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【昔話】お萬の火【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしある村にお萬という身寄りのない女がと一緒に暮らしていました。
お萬を連れて毎日荷物運びの手伝いをして、暮らしていました。

ある年、雨が降らずに日照り続き、村は飢饉状態でした。
村人たちの心は荒み、あちこちで農作物が盗まれる被害がありました。
そんな状況だったので、お萬も仕事を断られ続け、仕方なく川の水を飲んで飢えをしのいでいました。

ある日、飢えに耐え切れなくて暴走したが足を滑らせて「うしくい淵」に落ちて沈んでしまいました。
焦ったお萬は、「うしくい淵に沈んだが、山を潜って反対側から姿を現した」という話を思い出して、「山を越えればに会える」と信じて山越えを決意しました。

しかし、何日も食事を取っていなくて山越えをする体力は残っていないお萬は、村人たちに食べ物を分けて欲しいと頼みましたが、受け入れてもらうことができませんでした。
空腹に耐えられなくなったお萬が、畑から大根を引き抜いてかじっていると、見張っていた村人に見つかり取り囲まれてしまいました。

この間から村中を騒がせていた大根泥棒と間違えられてしまったお萬は、かじりかけの大根を差し出して謝りましたが、村人たちはお萬を大根泥棒と決めつけ、縛り上げてうしくい淵に沈めてしまいました。

しばらくして、村にはようやく雨が降り、翌年は豊作となりました。
豊作祭りの日、とある酔っ払いが川縁を通りかかると、チリリンと鈴の音がしました。
酔っ払いが鈴の音に耳を傾けていると、無数の鬼火が川面に浮かび上がり、お萬の姿が浮かび上がりました。

この話を聞いた村人たちは、自分たちのしてしまったことを後悔しお萬の霊を供養したのですが、恨みが深かったのか、その後も鬼火は浮かび続けました。
村人たちはこの鬼火を「お萬の火」と呼んだそうです。


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