【昔話】夜泣き石【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、若い夫婦が住んでいました。
夫婦はとても働き者でしたが、なかなか子どもを授かることができず悩んでいました。
ある晩、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえてきたので夫婦は不思議に思っていましたが、あまりに子どもが欲しいせいで聞こえる幻聴だろうと思っていました。
しかし赤ん坊の泣き声は何日も続き、妻は気になって声の元を探してみると、森の中にある大きな石から声が聞こえていました。
驚くことに泣いていたのは石だったのです。
妻が泣いている石をあやし、自分の母乳を与えました。
赤ん坊のいない妻に母乳が出るはずもありませんが、妻はそうやって石をあやし続けました。
妻は夫には石のことを内緒にして、毎晩こっそりとあやしに行くようになりました。
しばらくすると妻の乳が張り、石はぴたりと泣きやみ、妻は子どもを授かりました。
妻は夫に全てを話し、子どもを授かったのは石のおかげかもしれないと言い、その石を自宅で大切に保管しました。