【昔話】化け猫と二十三夜さま【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、ある男が住んでいました。
男は、自宅で帰りを待つかわいい娘に赤い風車を渡してあげたくて山を越えようとしましたが、途中で日が暮れてしまい、すっかり真っ暗になってしまいました。
それでも男が暗い山道を歩いていると、後ろから何やら足音が聞こえてきました。
男が振り向くと、遠くの方で巨大な目玉が不気味に光っていました。
そしてどんどん男の方に向かって近づいてくるので何者かと思い見てみると、目玉の正体は真っ黒い大きな化け猫でした。
驚いた男は必死になって逃げましたが、ものすごい勢いで迫ってくる化け猫に追いつかれそうになってしまいました。
間一髪のところで古いお堂を見つけた男は、何とかその中に逃げ込みました。
しかし化け猫は屋根に上り、お堂を潰しにかかってきました。
男は生きた心地がせず、ひたすらお堂の中にある木彫仏像に向かって念仏を唱えました。
すると急にお堂の辺り一面を不思議な光が包み込み、屋根に乗っかっていた化け猫は悲鳴を上げて消滅してしまいました。
男は無事に家路に着いて、娘に風車を渡すことができました。