あらすじ君

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【昔話】見るなの座敷【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、若いが住んでいました。
はとても貧しい生活をしていましたが、1羽のを可愛がっていました。
ところがある冬、3年続きの不作でついに生活ができなくなってしまったので、は都に出て奉公しようと心に決めました。
大切なを空に放ち、旅立つことにしました。

旅立って数日が過ぎた頃、吹雪の中を歩いていたがもう歩けないと思ったとき、大きな家の灯りが見えました。
が急いで戸をたたくと、美しいが出迎えてくれました。
その家にはたくさんの部屋がありましたが、は5番目の部屋に案内しました。
案内されたの、見たこともないほど立派な部屋で、庭いっぱいに梅の花が咲いていました。
は出されたご馳走をお腹いっぱい食べ、その夜はこの家に泊めてもらうことにしました。

翌朝、が目を覚ますと、は既に朝食の準備をしていました。
が、これから出かけるので留守番をしてほしいと言うのでが承知すると、「どの部屋を使っても良いですが、10番目の部屋だけは決して開けないでください」とだけ言って出かけていきました。
は夕食頃に戻ってきて、はその夜も泊めてもらうことにしました。
こうして同じことが毎日繰り返され、あっという間に1ヶ月が過ぎていました。

そんなある日、は開けるなと言った部屋をどうしても見たくなりました。
我慢できなくなったが10番目の部屋の戸を開けると、中は吹雪の枯れ野原でした。

するとそこへが現れ、「開けてしまったのですね。私はあなたに可愛がってもらったです」と言うと、いつの間にか家は消え、枯れ野原にが立っていました。
「あなたの苦労を癒そうと思い、春の女神さまがお出ましになる天のお座敷を借りていたのです。約束を破ったからには、元の姿に戻らねばなりません」と言うと、に変わって飛び去ってしまいました。

は言葉を尽くしてを呼び、枯れ野原をさまよいましたが、2度との姿を見ることはできませんでした。


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