【昔話】密僧坊【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山寺で、密僧坊という若いお坊さんが厳しい修行をしていました。
密僧坊は、味噌が大好きで、修行をこっそり抜け出しては村人から味噌をもらって食べていました。
力持ちの密僧坊は、味噌をもらう代わりに力仕事を全てに引き受けていましたが、ついにお金も要求するようにありました。
村人たちが拒否すると暴力を振るい、村人たちは怖がっていつしか密僧坊を避けるようになりました。
ある時、密僧坊が水を飲もうと滝壺に行くと、足を滑らせそのまま溺れ死んでしまいました。
それを知った村人たちは、やっかい者がいなくなったと、喜びました。
しばらく経ったある日、その滝壺に恐ろしい大蛇が出て、村人が食われてしまいました。
それを聞いた山寺の和尚さんは、「味噌を使って密僧坊を利用した村人たちも悪い」と言いました。
村人たちは密僧坊にしてきたことを反省し、滝壺でお経をあげてもらい成仏するよう拝みました。
そのうち滝壺から大蛇はいなくなり、密僧坊の命日には味噌をお供えするようになりました。
日照りが続いた時には、味噌を供えてお祈りすると雨が降るようになりました。