【昔話】山鳥の尾【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、母と息子が2人で住んでいました。
父は、化け物退治に出て行ったきり、戻ってきませんでした。
ある寒い日、息子は母に頼まれて町に買い物へ向かっていると、罠にかかった鳥を見つけました。
その鳥の尾は、5色に光りとても美しいものでした。
息子は鳥を罠から逃がし、その代わりに買い物するために母から渡されていた金を罠のそばに置いて帰りました。
帰る途中で、近所の若者に会いました。
若者は息子に「父が退治に行った化け物の退治の仕方をお坊さんに教えてもらった」と言いました。
息子がその方法をたずねると、5色に光る尾を持つ鳥を使って矢を作ればいい、と言いました。
そのことを知った殿さまが、5色の尾を持つ鳥を探しているというとだったのですが、息子は知らないふりをして家へ帰りました。
夜になると親子の家に1人の娘が訪ねてきました。
娘は、実は息子に助けてもらった5色の尾を持つ鳥で恩返しに山の幸を持ってきました、と言いました。
親子は喜んで、その山の幸を堪能し、楽しい時間を過ごしました。
しかし、鳥は親子の家に向かうところを近所の若者に見られていました。
若者は殿さまにそのことを告げると、たくさんの人を連れて親子の家を囲み鳥を捕まえにやってました。
5色の尾を持つ鳥を手に入れた殿さまは見事化け物を倒すことができましたが、親子には2度と笑顔が戻りませんでした。