【昔話】雪女郎の涙【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、貧しい家が2軒並んで建っていました。
村人たちは、それぞれ西の家、東の家と呼んでいました。
ある寒い夜、西の家の若者が東の家の前を通りかかった時、全身白い服を着た美しい娘を見かけました。
東の家の人が娘を快く泊めているのを見た西の家の若者は、安心して自宅へ帰りました。
それから何年も経った頃、東の家は大金持ちになり、大きな屋敷に住むようになりました。
一方、西の家に住む当時の若者はすっかりおじいさんになりましたが、貧しいながらも孫たちに囲まれて昔と変わらず幸せに暮らしていました。
そんなある吹雪の夜、また全身白い服を着た娘が東の家を訪れました。
しかし、東の家の主人は仮病を使って冷たく追い返してしまったので、娘は西の家にやってきました。
西の家のおじいさんは、快く娘を泊め、貧しいながらも家族みんなで暖かいご飯を用意して、娘をもてなしました。
すると娘は、ありがとうございます、と言って泣き出し、布団に入ってからもずっと泣いていました。
翌日、奥さんが娘を起こそうと戸を開けると、娘の姿がありませんでした。
その代わりにびしょ濡れになった娘の着物が置いてありました。
昨晩の娘は雪女郎が化けたもので、西の家に住む人の優しさに触れ、それがうれし涙となって体を溶かしてしまったのでした。
奥さんが着物を片付けようとすると、仲から小判がたくさん出てきました。
一方、東の家では、主人が本当の病気になって倒れてしまい、あっという間に亡くなってしまいました。