【昔話】狼と虎【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし食料が豊かな山に虎と唐獅子が住んでいました。
その山の下の荒地には、食料がなくみじめな思いをしている狼が住んでいました。
狼はいつも腹を空かせ、虎の遠吠えに迷惑していました。
狼はなんとかして虎を追い出して、自分が豊かな山で暮らしたいと考え、狼に手助けしてくれるように頼みました。
そこで狼が虎と唐獅子に、「勝負に勝ったほうがこの山に残る」という勝負を持ちかけると、虎と唐獅子は快諾し、さっそく3本勝負をすることになりました。
知恵が働く狼は、吠え声対決もかけっこ勝負も虎に勝利し、最後の「術比べ」も狼の妖術で見事勝利しました。
負けを認めた虎と唐獅子は、約束通りこの山から去っていきました。
しかし、狼の知恵で勝ってしまったため、狼は虎たちから返り討ちに遭うのではないかと不安でした。
結局、狼は不安に耐え切れなくなって食料豊かな土地を捨て、遠くへ逃げ出してしまいました。
こんなことがあってから、狼は虎と唐獅子の仕返しを恐れて、仲間たちと群れで暮らすようになりました。