【昔話】桂の木と大蛇【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、ある神社に立派な桂の木が植わっていました。
ある日の夜、神社の隣にある寺の坊さんが心地よく眠っていると、おかしな夢を見ました。
白髪のおじいさんが夢に現れ、そのおじいさんは自分のことを沢の奥深くに棲む大蛇だと言いました。
大蛇は、この狭い沢には飽きたと言い、沢を下り海へ行き、海へ出たら天高く昇って龍になりたいと考えていると話し出しました。
しかし、海へ出ようにも近くに植わっている桂の木に体がつっかえて出られないので、桂の木を切り倒してほしいと言いました。
ここで、坊さんは目覚めました。
おかしな夢を見て不思議な気持ちになった坊さんは、これは何かのお告げかもしれないと思いました。
しかし、大蛇が海へ出るのにのんびり地面を這っていくはずがないと考えました。
さらに、大蛇は沢の水だけでは足りないので、天高く昇って雲を呼んで大雨を降らせようとしているのではないかと考えました。
大雨が降れば村中が水で溢れてしまいます。
大蛇の願いを聞き入れてやりたい気持ちはありましたが、村が洪水で流されては大変だと思った坊さんは、桂の木を切り倒すことはしませんでした。