【昔話】とろかし草【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、清兵衛きこりがいました。
清兵衛が木を切っていたら、旅人がうわばみに襲われているところを見つけました。
どうすることもできない清兵衛は、木に登って様子を見ていると、旅人はうわばみに飲み込まれてしまいました。
旅人を飲み込んだうわばみは満腹で苦しくなり、見たことのない黄色い草を食べ始めました。
すると、うわばみの腹がへっこみ、うわばみはスッキリして草むらに帰って行きました。
きこりはうわばみがいなくなったことを確認して、その黄色い草をひとつかみ持って村に帰り、今日の出来事を村人に話して聞かせたのですが、黄色い草のことだけは誰にも話しませんでした。
その夜、命拾いをしたお祝いをしようかと、村人たちは清兵衛の家に集まりました。
そこで村の1番の金持ちから「蕎麦を5杯一気に食べることができから畑を一反あげよう」と持ちかけられました。
黄色い草のことを思い出した清兵衛は、自信たっぷりで挑戦したのですが3杯でお腹いっぱいになってしまいました。
そこで1度トイレへ行き、こっそり黄色い草を食べました。
しかし、いつまでたっても清兵衛が戻ってこないので心配した村人がトイレに行ってみると、清兵衛の着物だけ残っていて姿は消えていました。
黄色い草は、食べたものを溶かすのではなく、人間を溶かす草だったのでした。