【昔話】犬娘【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある山奥に、子どものいない木こりの夫婦が住んでいました。
ある日、山の神さまに子どもが恵まれるようにお願いすると、その1年後に女の双子の赤ちゃんが産まれました。
しかし、産後の日立ちが悪く、母親はしばらくすると亡くなってしまいました。
赤ちゃんに飲ませる乳が無く困った父親がふと、森の藪の中で子犬に乳を与えている山犬を見つけました。
父親は「娘たちが大きくなったら嫁にやるから乳を分けてくませんか」と山犬にお願いすると、娘たちにも乳を分けてくれました。
山犬の乳を飲んだ娘たちは、病気も無くすくすくと育ち、子犬たちと仲良く暮らしました。
しかし山犬の寿命は短く、娘たちが年頃に育った頃には年をとって死んでしまいました。
やがて、娘たちは美しく育ち、良縁に恵まれそれぞれ嫁に行きました。
しかし嫁ぎ先では、山犬の幻影が見え隠れするという理由で、すぐに追い出されてしまいました。
2人たちは実家へ帰り、そこで初めて父親から山犬との約束の話を聞きました。
娘たちは「約束をやぶってはいけない」と、山犬の子犬たちの墓の前で、仮の結婚式をあげました。