【昔話】鶴柿【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかし、山口県熊毛地方八代の里に、子どもを連れた一匹の鶴が飛んできました。
子鶴は旅の疲れと病気で弱っていました。
親鶴はおいしそうな柿を見つけ、子鶴に食べさせようと思ったのですが、柿の木にとまることができなかったので、柿の木の下に降りてうらめしそうに柿を見ていました。
するとそこへカラスがやってきて柿を食べ始めました。
鶴はカラスに柿を取ってほしいと頼みましたが、カラスは柿を取るどころか、イタズラばかりして固い柿をぶつけてきました。
その様子を見ていた女の子は、畑にいる父親を呼んでカラスを追い払ってもらい、鶴に柿を取ってあげました。
鶴は何度もお礼を言い、弱っている子鶴の元へ飛び立っていきました。
それからしばらく経ったある日、助けてくれた女の子が干し柿を食べ、種を喉に詰まらせて苦しんでいました。
そこへあの時の鶴がやってきて、「今度はわたしが恩返しをする番です」と言いました。
鶴は家の中に入ると、女の子の枕元に立ち、長いくちばしで喉につかえた柿の種を上手に取り出しました。
今度は、父親が鶴に何度もお礼を言いました。