【昔話】大からす【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしある村で、男が鉄砲を持って歩いていると大きなカラスに出会いました。
カラスは男の鉄砲に興味を示し、撃つところを見せてほしいと言うので撃ってみせました。
するとカラスは木の枝から真っ逆さまに落ち、草むらに落ちました。
男が近寄ってみると、そこにあるはずの死体がありませんでした。
その夜、男が自宅で鉄砲の手入れをしていると、死んだはずのカラスが羽で胸を押さえながらやってきました。
カラスは「さっき撃たれた鉄砲は痛かったぞ!胸に大きな穴があいてしまって…」と言って、押さえていた羽を離すと、赤黒くぽっかりと大きな穴が開いていました。
カラスは「今度はわたしが撃つ番でです!」と言い、男に詰め寄りました。
これは大変だと思った男は、カラスにバレないように弾を隠して、弾の入っていない鉄砲をカラスに渡しました。
カラスはしばらく鉄砲を眺めてから男に向かって引き金を引いたので、男は仰向けに倒れて死んだふりをしました。
男が死んだと思ったカラスは、男にあるはずの穴を探し始めました。
男をひっくり返し、服をめくり、弾痕を探しました。
カラスはふんどしの中を覗き込んで、穴を見つけて喜びの声をあげました。
尻をさわられ、くすぐったくて我慢できなかった男は大きな屁を放ってしまいました。
屁の勢いに飛ばされたカラスは、屋根を突き破って空に飛ばされてしまいました。
翌朝、男が昨日カラスと出会った木の下まで行ってみると、大カラスが死体となって転がっていました。
心臓を打ち抜かれても死ななかったカラスが、男の放った屁で死んでしまいました。>